君にとってのハッピーエンド、僕にとってのバッドエンド
怒りや嫉妬、悔しさで心がぐちゃぐちゃに乱されていく。拳を強く握り締めてなんとか堪えていると、若菜が「そうだ!」と笑顔で言った。

「優二くん、よかったらこれから家に遊びに来ない?まだお話したいし、一緒に紅茶も飲みたいし……」

ダメかな?と首を傾げながら言われ、僕は恋のときめきに背中を押されて「お邪魔しちゃおうかな」と言ってしまっていた。そして、言ってしまってから後悔する。

紫水圭は、俺たちの幸せな暮らしを見せつけてやると言わんばかりに意地の悪い顔で僕を見ていたんだから。



レストランを出て、紫水圭が運転する車で若菜が紫水圭と暮らしている家へと向かう。人気俳優は相当儲かっているのか、高級車に乗っていた。

高級車が走っていても何の違和感もない高級住宅街に入り、一軒の豪邸の前で車は止まる。二人暮らしをするには広すぎるほどの豪邸が建っていた。

「こんなところに住んでるんだ……」

驚いて口がポカンと空いてしまう。それを見て紫水圭は馬鹿にしたように笑い、殴りたくなった。
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