ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「ん? なんか視線を感じるなあ」

 目を閉じて、エリナにもふられていたクー・シーは、暗い町を見回して自分たちを眺めている主を発見した。

「あ、エリナ、あそこにいるのってルディじゃない?」

「どこどこ……うん、ルディさんだね。すごいなあ、いつも先に見つけられちゃうんだよね」

 狼隊長の凛々しい姿を見て、エリナはほんのりと頬を染めた。そんなエリナを横目で見上げながら、まだ抱っこされていたクー・シーはくすりと笑って言った。

「さすがはフェンリルってところだね。んじゃ、我らがルディ隊長のところに行くまでに僕を捕まえたらエリナの勝ちね!」

「ええっ、今捕まえたところなのに、クー・シーちゃんったら!」

 腕の中をするりと抜け出して、白い子犬はルディのいる方に向かって屋根の上を走る。そうはさせじと、宙を飛んだエリナが彼の行手を阻むのだが、子犬は緩急をつけた動きで彼女のディフェンスから巧みに逃げ出す。

「えへへっ、僕って逃げるのがとっても得意なんだよねー」

「本当に上手だよね……あ、それってもしや、フォーチュナさんによく叱られてるから、とか?」

「ぎ、ぎっくー! ひ、ひどいなエリナ、可愛い顔して、どうしてそんなことを思いつくのかなっ」

 彼女の言葉はどうやら図星だったらしい。

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