ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「フェアの動きはだいぶ軽やかになってきたな。なかなかいいぞ」

「そうですか? ありがとうございます」

 ルディに褒められたエリナは笑顔になり、そして「でも、まだまだなんです。ようやくクーちゃんを捕まえられるかられないか、くらいまでにはきたんですけれどね」と首を傾げて子犬を抱きしめた。

「そうそう、動きが安定してきたとはいえ、一晩に一度しか僕を捕まえられないんじゃ、まだまだなんだよ。それに、フェアは夢中になると粉を出すのを忘れちゃうし」

「粉?」

「そうそう、妖精の粉。これをしっかりと使わないと、僕たちのことが他の人たちにも見えちゃ……」

「わーわーわー」

 フェアは片手で子犬の口を封じた。

「あのですね、身体中からこう、なにかを出すようにして、身体を軽く浮かせるように意識するんですよ! そうするとですね、身軽に動けるんです、ええ!」

「そそそ、つまりね、僕を捕まえることばかりに集中するんじゃなくて意識を分散化することによってね、身体を自然に動かせるようになるから! 大事なことなんだよ!」

 ふたりの説明の内容が理解できずに、ルディは尋ねた。

「今、妖精とか言ったような気がするんだが……」

「言ってないよ! ルディの気のせいだね!」

 白い子犬は激しく尻尾を振りながら「気のせい気のせい」と言った。
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