ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「あの……おくつろぎのところをすみません」

 温泉たまごを札と引き換えてくれた女性が、狸の耳をもこもこっと動かしながらふたりに声をかけた。

「もしかして、青弓亭のエリナさんでいらっしゃいますか?」

 狸の女性が幼いエリナにとても丁寧に声をかけたので、彼女も「はい、そうですが、なにかわたしにご用でしょうか?」と丁寧に受け答えをした。

「突然すみません。わたくしは、この温泉の食品の担当をしております、リンと申します。今、小耳に挟んだのですが、エリナさんは卵を材料にした、新しいデザートの作り方をご存知なのでしょうか? と申しますのは、わたくし共は新たな名物になる食べ物を探しているところなのです」

「そうなんですね……リンさんはもしや、コースト伯爵のところから直接ここに出向されてますか?」

 狸の女性は、不思議そうな表情になった。
 
「はい、その通りです。でも、なぜそれを?」

 エリナは笑顔になった。

「だって、とっても丁寧な話し方をされてるんですもの。貴族の家で働いた経験がおありなのかと思いました」

「さすがはエリナさんですね。ただの子猫とは違う、温泉のようにアイデアが湧き出る天才料理人という噂は正しいようです」

「ふふふ、リンさんって面白いですね」

「ふふふ、ありがとうございます」

 丁寧な口調ではあるが、どうやら狸のリンはお茶目な女性のようである。
< 219 / 235 >

この作品をシェア

pagetop