ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「わたしは諦めませんからね!」

 深い海のような澄んだ青い瞳に、いたずらっぽい金の光をちらちらと輝かせて、腰に手を当てた美少女猫は宣言する。

「ずいぶん綺麗に動けるようになったね、エリナ。ふふっ、その調子で捕まえてごらんよ、僕のお姫さま」

 子犬は余裕の口調で言うと、また逃げ始めた。

「うにゃーん、なにそのイケメンなセリフは!」

 クー・シーにからかわれた白猫少女は、モフモフした白い子犬をこの手に抱きしめて、思いきりモフってしまおうと、再び捕獲作戦に取りかかった。

 そして今夜も、誰にも見えない屋根の上の鬼ごっこは盛り上がるのであった。

 いや、違う。
 この国にはただひとり、彼女たちの存在を消している妖精の力に惑わされることのない者がいるのである。
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