ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります！〜３

　再びすばしこい動きで屋根を飛び移る白い子犬を追いかける。彼女は妖精獣ケット・シーとしての身体をかなり使いこなせるようになってきた。

　モフモフが大好きな元見習いトリマーの江理奈は、危うくトラックにはねられそうになっていた（この子犬は素早いわりにおっちょこちょいなのだ）妖精獣のクー・シーを助けた時に、その人生が終わってしまいそうになったため、日本からこの世界に転移して、スカイヴェン国を担当する妖精獣フェアリナとしての新しい人生を送ることになった。
　ところが、日本に住んでいた頃に、幸運をすべて他人に搾取されるという過酷な生活をしていたため、江理奈の優しい魂はボロボロに傷ついてしまっていたのだ。身体を妖精のものに作り変えられ、精神を修復する必要があった江理奈は、スカイヴェン国に転移した時には小さな子猫の姿になってしまった。

　２１歳の立派な社会人が、６、７歳の猫耳幼女になってしまったのだから、本人もびっくりである。

　けれど、子猫のエリナとして暮らしていく中でスカイヴェン国で出会った人々の優しさに癒されて、ようやくエリナの気持ちが落ち着いてきた。
　そして今では、妖精獣の先輩である子犬のクー・シーの指導の元、妖精としての仕事に必要な力を使いこなせるようになるため、このような訓練を行っているのだ。