ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜3
「大変な危険って……どういうことだい?」

 低い声で尋ねるのはミメットだ。すると、冷静な老従者は警戒のために尻尾の毛を軽く膨らませたキジトラ猫に淡々と告げた。

「はい。エリナさまの思いつかれた道具は、先ほどルールーさまがおっしゃったように革命的な物だと言えます。単なる『画期的』を超えている、『革命的』なものなのですよ」

 ルールーは「その通りだわ」と頷いた。イーシーが続ける。

「もしも冷蔵コンテナが実用化された場合には、同時に流通に変化が起き、たくさんの利益が新たに生まれます。すると、そのようなものには欲を抱えた有象無象が近寄ってくるのです。エリナさまをか弱い猫の少女と侮り、危害を加えて利益を我がものにしようとする不届き者が現れる可能性があるということなのでございますよ」

「ええ、そうだわ。この業界にはね、可愛い子猫のことを思い通りにしようと、ナメてかかってくる者が山のようにいるわけよ」

 人魚の美少女は、自分もそのような経験があるらしく、瞳の奥を剣呑に光らせながら言った。

「冷酷な商人が、冷蔵コンテナのアイディアをエリナから奪い取って一儲けしようとしても、全然不思議じゃないわ。この世界はお人好しには向いていないから、そんなことがあっても誰も驚かないと思うわ」

「そうなのです、人の良いルールーさまでは泳ぎ渡るのも大変な世界でございますからね」

「なっ、なにを言うのよイーシー! わたしはこう見えても利に聡くてシビアな人魚なんですからねっ」

 顔を赤くするルールーを、老従者は「はい、そうでございますね、お嬢さまはかなりがんばっていらっしゃいます」と優しくあしらった。
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