このまま惚けて、それから
「玄野くんになら例え異状性癖でも抱かれたいけどなぁ」
「バカ言わないでよ」
「実際どうなん?」
「え?」
「したでしょ?詳しく聴きたぁい、異状性癖のカレシの話」
「揶揄ってんでしょ」
「そりゃもう揶揄う以外の選択肢がないわ」
このやろう、私のことなんだと思ってるんだ向日葵め。
やっぱり言わなきゃ良かったという思いと、私と青の関係を知ってる人が一人でも居るだけで得られる安心と。
ふたつの感情が混ざりあって、ケタケタと笑う向日葵に強く言えない部分もあった。
「ほらぁ、聞かせなよ未羽」
「やだって」
「じゃあ今度玄野くんに聞くわ」
「あんた……、」
向日葵はこういう奴だ。
信用できる友達とはいえ、恋愛事に目がないところもあるから……可愛い女の子ってみんな恋に興味津々なの、どうしてなんだろう。
どうせすぐ青に問いただしてネタにされるんだろうな、と思ったらため息が出た。