このまま惚けて、それから






エスパーが再来した。

何も言っていなかったのに、私の心の中の問いかけに答られたものだから、さすがとしか言いようがなかった。



「未羽の心の声は直接俺の脳に届く仕組み」

「いや怖いな」

「あ。前髪、崩れてる」



そっと優しい手つきで前髪に触れた青。

整えたあと、「今日も圧倒的にカワイイ」と言って微笑む。不意打ちの直球なラブにだけは、やっぱりまだ慣れない。


青ってほんと、私のことに関しては誰よりも察しがいいし、細かいところに気づくし、……愛されてる、と思う。

自分で言いたくはないけれど。

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