このまま惚けて、それから
「あのねぇ、青」
今にも殺しに行きそうな雰囲気だったので、めんどくさいなぁと思いながら名前を呼ぶ。
交わったその瞳は真っ黒だ。
「プリント拾ってもらっただけで恋は始まんないの。わかる?」
「全然わかんないわ、だって未羽は可愛いしマスコットみたいって噂されてるしあいつが120%未羽に気があるのも知ってる 未羽がプリント落とすの見計らってたんだ絶対」
「んなわけあるか」
普通とは言い難いことを言う青の頭をポカッと叩く。「いて。愛だ」と言うから、またため息が出た。
「俺は未羽に教室で話しかけるのは禁止なのに」
「そりゃ完璧王子だなんだって騒がれてるあんたに付き纏われてるなんて知られたら青のファンに殺されるもん」
「未羽に害を与えるやつは全員この世から排除するけど」
「青が言うとリアルだから嫌なんですけどそれ」