このまま惚けて、それから
「未羽」
「なに?」
「未羽にお願いというか、一歩先に行きたいというかそろそろ我慢ならないというか、交渉というか」
「え、何の話?」
ここは青の家で、青の部屋だ。
ご両親がどうしているのかは聞いたことがないけれど、共働きかもしくは何らかの事情で家を開けているのだと思う。
青の家は、いつも誰もいない。
つまり、そう。
青に捕まったら、青が満足して私を離してくれるまで この家から出ることは不可能なのである。