託宣が下りました。
「そそそその、当初託宣を認めたのは宮廷の実力者たちのほうで……ええと、えと、彼らはヴァイスが宮廷に来るなんて『断固断る』『冗談じゃない』『っていうか宮廷を壊す気か』派ですから」
「……」
「だからむしろあの託宣は好都合だったんです。でも最近になって王女が病みついて荒れるようになりまして」
「王女が、荒れる……?」
「それに手を焼いた王妃様まで癇癪を起こしまして。こんなことになったのはすべてあの託宣のせいだ、と――」

 本来は王妃様も『ヴァイスは断固反対』派なんですけどね、と付け足すカイ様の笑いがとても乾いていました。

「――」

 そんな理由で、託宣は取り消されてしまったの?

 情けないやら滑稽やらで、笑い出したい気分です。
 でも……実際に口から出たのは、暗いため息だけ。

「……ふざけるな」

 ラケシスの声が震えていました。膝の上に置いた拳も。

「そんな理由で姉の人生を無茶苦茶にしたのか……? どいつもこいつも、ふざけるな!」
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