託宣が下りました。
笑うに笑えない話ばかりでしたが、騎士が仲間をとても好きなことは伝わってきます。話しているだけなのににこにこと楽しそう。
他人にあまり神経をつかわない性の彼は、逆に他人にもおおらかであるようでした。聞いていると、何だかわたくしまでいろいろなことが許せてしまう気がします。
彼のこういうところは、とても好き――。
「そう言えばソラが巫女に会いたがっているんだが、どうする? 会うか?」
わたくしは喜んでうなずきました。
「会いたいです。怪我の具合はどうでしょう?」
「家に寄って見てきたんだがな、元気だった。大人しくしろと言って聞くやつではないからな。だから巫女が会ってやってほしい」
巫女の言うことなら聞くかもしれん、と騎士は真顔で言いました。
「行くのなら明日にでも連れていってやる。あいつを大人しくさせてやってくれ」
「―――」
わたくしは騎士をじっと見つめました。おずおずとした声が、口から漏れ出ます。
「……よいのですか? もう……何かの手配などは……」
本当は一番に聞きたかったこと。
恐くて、聞けなかったこと。