託宣が下りました。
騎士は冷静な声音で言いました。
「何かとこずるい男だ。今回のことに直接関わっていなくとも、今回のことを何かに利用するくらいは考えてもおかしくない。気をつけたほうがいいな」
「あなたも」
わたくしは思わず声をかけました。
「……あなたも、十分気をつけて」
騎士は驚いたようにわたくしを見……そして、嬉しそうに目で笑いました。
「なに、俺は心配ないさ。――そう言えばラケシス殿はレジスタンスと繋がりがあったそうだが、聞いているか?」
「父から手紙が来ました」
「そうか。いったいどういう繋がりだったのだろうな。しばしばともに酒場にいるところを見られていたようだが、必ずしも仲が良かったとは限るまい。それに」
と、あごをゆっくり撫でて、「王宮に忍び込むには、王宮に詳しくなくてはならん。もしくは手引きをする者がいなくては。……ラケシス殿はしゃべる気はなさそうなんだが」
「……やはりそうなのですね」
声がか細くなっていくのが、自分で分かりました。わたくしは目を伏せて、妹のことを思いました。
(どうしても言えないことがあるのね……ラケシス)
頑固な妹のこと、よほどのことがなければ口を開かないに違いありません。