託宣が下りました。

 そんなに大切に隠していることとは、いったいなに……?

 仮にレジスタンスの一員として王宮に忍び込んだというのなら……黙秘しているのは仲間のため、ということになるのでしょうが。

 本当に、それが理由?

「ひとつ考えていることがあるんだが」

 騎士の声に、わたくしは顔を上げました。
 騎士は一本指を立てて、

「例えば俺がラケシス殿に会いにいったら、ラケシス殿は話してくれるだろうか?」
「無理だと思います」
「即答だな。だがそうだろうな。――巫女よ、あなたにだったら話してもくれるのだろうが……さすがにあなたをつれて王宮には忍び込めん」
「絶対に駄目ですよ!」

 わたくしは強い口調で言いました。王宮の敷地内に牢獄があるのは知っていますが、いくらなんでも忍び込んでラケシスに会いに行くなどと、とんでもない!

 普通の人なら考えもしないことでしょう。けれど相手はこの騎士。以前当たり前のようにシェーラの家へ侵入したことを思い出し、胃の腑がきりきり痛みました。

「第一、王宮に忍び込むなど簡単にできることでは――」
「そうでもないぞ。今言ったように中に詳しく度胸さえあればいい。ラケシス殿がそうであったように」

< 290 / 485 >

この作品をシェア

pagetop