託宣が下りました。
「あなた方の耳に入れるような話ではない」
少尉は傲然と言い放ちました。
カイ様のご威光をもってしてもこの態度――これでは、『重要なことが起こっている』と白状しているようなものです。
カイ様が黙り込みます。どうにかして話を聞き出そうとしている雰囲気です。ですが……
代わりにラケシスが口を開きました。
「分かりました。ではおっしゃる通り本日の面会はこれで」
「ラケシス?」
「しっ。姉さん、言うことを聞いて」
少尉に聞こえない程度の小さな声で、ラケシスはわたくしに言いました。
「私が調べてみるよ。たぶんシュヴァルツ殿下に聞けば教えてくれるはず」
「………」
「だから今は帰って。本当にごめんね」
わたくしはうなずきました。
そして、カイ様を促しました。
「カイ様。本日はこの辺りにしましょう。ダヴリス少尉、また面会の許可をいただけましたら大変嬉しく思います」
「それは私の裁量ではございませんが、王宮は善処することでしょう」
少尉の言葉ににっこりと応え、わたくしはラケシスと、それからカイ様と目配せし合い、悠々とラケシスの部屋から出たのでした――。