託宣が下りました。
「たしかになあ……あいつは魔物のスペシャリストだし、最近の魔物の活発化について詳しいだろうな――ああ、一度会っておくほうがいいのかもしれない」
親父殿に協力を頼むか、と騎士は言いました。
「アレクサンドル様は顔がお広いのですか?」
「それはもう。王都中の情報屋のすべてを把握しているぞ。親父殿の知らないことなんかない」
……それはそれで恐ろしいのですが……
「よし、親父殿に依頼しておく。だから心配しないでくれ――ああそうだ、聞いてくれアルテナ」
騎士は突然明るい声でわたくしを呼び、
「クラリスから、『胸が大きくなるための護り石』とやらを預かってきた。ぜひ今夜から枕の下に入れて寝て――」
「いりません!」
反射的に頑としてそう答えてしまいましたが――
(……つ、使ってみようかしら?)
実はこっそり思ったことは、秘密です。
*
数日後、ラケシスから手紙が届きました。
どうやら検閲された様子もありません。そこは王太子殿下のご威光なのでしょうか。
封を切り、中をゆっくりと読んで――衝撃にわたくしはガタリと椅子を揺らしました。
『エリシャヴェーラ姫は魔物に取り憑かれた由。今王宮は姫から魔物を追い出すために必死』
*
エリシャヴェーラ様が魔物に取り憑かれた。