託宣が下りました。
ヨーハン様のことは好きでした。でもそれは、友人としての『好き』でしかありません。
友人をけなされたなら誰だって怒るでしょう。それに、
「……他ならぬあなたが、人をあしざまに言うことも悲しいのです、ヴァイス様」
わたくしは切々とそう訴えました。
そう、本当はそれが一番つらい。陽気な彼の口から、そんな言葉が出てくることが。
騎士はわたくしの顔を見ました。
わたくしはひたむきに彼を見つめ返しました。
「……すまん」
騎士は消沈した様子でそう言いました。そして夕焼けの瞳を悲しげに揺らし、
「あなたの関心を他の男が占めていることが許せない。だから俺は」
わたくしは目を丸くしました。そして――くすりと笑い、
「何を言っているんですか。……わたくしの一番はちゃんとあなたですよ?」
騎士が目に見えて喜色を浮かべました。わたくしは照れて顔をそらしました。
本当に。わたくしったらこんなことを言うまでになって。
一度は修道女を志した女がこんなに浮かれていていいのでしょうか、アンナ様?
「ヨーハンか。王都に来ている噂は俺も聞いているが、会ってはいないな」
騎士の声が機嫌を取り戻しています。わたくしはほっとして、「そうですか」とうなずきました。