託宣が下りました。

 ラケシスのこともエリシャヴェーラ様のことも解決しないまま日は行き過ぎ……

 ある日、わたくしは修道院を訪れていました。

「いらっしゃい、アルテナ」

 迎えてくださったアンナ様と軽い抱擁。それから、アンナ様はわたくしを修道院の裏の建物へと案内してくれました。

 そこは禊ぎの施設でした。
 修道院で婚儀を行う場合、花嫁がドレスを着る前に入る場所です。

 十字に建てられた建物の中央に、丸くくりぬかれた禊ぎの場。近くの山から汲んでくる聖なる水がなみなみと湛えられています。

 ここに浸かることで――
 花嫁は、己の純潔を神に証明するのです。


「ドレスはもうすぐできそうなんですってね?」

 アンナ様が悪戯っぽくそう言って、わたくしはぽっと頬を染めました。

 ヒューイ様は一度本気になるととんでもない力を発揮するようで、騎士の礼服もわたくしのドレスも、予定よりずっと早く出来上がりそうだとのこと。

 一度、サイズを確認するためヒューイ様に会いにいきました。

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