託宣が下りました。

 わたくしたちは人気のない公園へと移動しました。ヨーハン様が、「こんなところ誰かに見られたら僕がヴァイス様に殺されちゃう」とおっしゃったからでした。

「ヴァイス様もヨーハン様に会いたがっていましたよ……?」
「魔物の情報のために、でしょう? 僕自身のことは割とどうでもいいはずですよ~」

 気のせいか、ヨーハン様の言動にどこかとげとげしいものを感じます。

 わたくしたちは木陰のベンチに座りました。

 常緑樹の公園です。木漏れ日が、わたくしたちの足下に輝かしい丸い光をたくさん落としていました。シェーラの病状を見た直後でなければ、見とれてしまえる美しさだったのですが……

 わたくしは隣に座るヨーハン様をじっと見つめました。

「あの、ヨーハン様」
「――町で蔓延している、魔物化の話でしょう?」

 ヨーハン様はわたくしを見ていませんでした。足下の木漏れ日を、ひとつひとつ目に焼き付けるようにして見ています。

 彼の言う通りだったので、わたくしは息を呑んで言葉の続きを待ちました。

「実はあれ、王都が最初じゃないんですよ~。別の町で始まって……そっちも大混乱になってます~」
「……!? そんな話は聞こえてきていませんでしたが……」
「そりゃあそうでしょうねえ」

 意味深に、ヨーハン様は唇を歪めました。そして、

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