託宣が下りました。
「対処法はまだ見つかってません~。いや……見つかってるっていうのかな? ただ、実行ができません~」
「ど、どういうことですか?」
「治す方法が極めて困難なんですー。魔物の弱点が見えない状態ですから。普通魔物は、弱点を潰せば消滅するんですけどねえ」
「弱点……」
例えばシェーラのお父様に憑いた魔物の場合は爪でした。爪を切ってさえしまえば魔物は消滅したのです。
「あるいは、弱点の部分から引きずり出すこともできるんですよ~。って、教えましたっけね」
「はい。例えば目から入った魔物は目から引きずり出せるんでしたよね?」
現実問題、目から引きずり出すところを想像するとぞっとするのですが、できないことではないそうです。
ただ実際には、目を潰してさっさと魔物を消滅させる手を取ることのほうが多いそうで……被害者の目は、もちろん悲惨なことになるのです。
それでもその手を取られることのほうが多いほどに、取り憑いた魔物を『引きずり出す』のは難しいこと。
ヨーハン様は顔を上げ、人のいない小さな公園を眺めました。
「……僕、最初にこの騒ぎが起きた町にたまたまいたんですよねえ……」
「どこの町ですか?」
ヨーハン様の口から出たのは、王都の隣の町でした。サンミリオンとは、方角が逆になります。