託宣が下りました。
「たった今言いましたよぅ。『王宮が原因だ』って」
「――!」
「そう、何もかも彼らが仕組んだことです。魔物の売買も、魔物を人間に取り憑けるのも……姫様に魔物が取り憑いた? そりゃそうです、エリシャヴェーラ姫は好んで魔物に近づく人でしたからねえ。うっかり、ってやつでしょう」
それとも――ヨーハン様の目に、暗い光が宿ります。
「今まで手足のごとく使われていたグループが、悪戯心を出したかもしれませんねえ。やつらは王都を騒がせて、益を出そうとしている」
唾を飲み込もうとして、喉がからからに渇いていることに気づきました。
益、とはなに――?
疑問は声にできたでしょうか。
「……益です。魔物の取り憑いた人間を救ってみせたら、信用が上がるでしょう?」
すでに足下には木漏れ日がありません。雲が、空を覆い始めています。
寒い――寒い日だと思い出しました。
「王宮で姫に異変があらわれ、招集されたのは誰でした?」
それは――そう、魔物学の学者さんたち。
「まさか」
「そのまさかです」
く、とヨーハン様は唇の端で笑いました。
「王宮の手足になって魔物を売買していたのは……僕と同じ、魔物学者たちだったんですよぅ」
ああ――
だからヨーハン様はこんなにも。こんなにも……