託宣が下りました。
ヴァイスでは話にならないと判断したのだろう、アレスがヨーハンを支えたまま話しかける。
「アルテナの状況について、どこまで知っている?」
「崖から落ちて急流に呑まれたというところまで……。おそらく生き延びていらっしゃるでしょう。あの魔物は異常に頑丈だったから。魔物は呼吸を必要としませんし」
「本当か!」
それだけは朗報だった。ヴァイスは半信半疑ながら、それでも安堵した。
「それでアルテナについた魔物の弱点は? それに、姫たちのことも助けられるとはどういうことだ?」
「――姫たち硬化魔物を排除するには、アルテナ様の力が必要なんです」
「なに?」
「だからまずアルテナ様を救わないと……アルテナ様の魔物の『弱点』は」
すなわち、どこから体に侵入したのか。それは。
「……口、です……」
お前それは、とアレスが引きつる。
一拍遅れてヴァイスも意味を悟った。
そして、もう一度ヨーハンを殴った。
今度はアレスも、かばうことはできなかった。
「……口からなら魔物ははがせるでしょう。一刻も早くアルテナ様を見つけなければ、同化が進んでしまう。はがすのが難しくなる」
「――アルテナは今どこにいるんだ?」
「そればかりは僕にも……」
くそっと毒づいてヴァイスは乱れていた外套をはおりなおした。