託宣が下りました。

 もしもアルテナが禊ぎの間に入ったなら、丸ごと聖水に浸かるようなものだ。同化し始めた魔物を――抱えたままで。
 
 ヴァイスはアレスとカイ、ヨーハンに修道長をつれて禊ぎの間へと急いだ。
 
「ああ、鍵が」
 
 禊ぎの間は普段厳重に鍵をかけられている。それが破壊されていた。とうてい人の力とは思えぬ様相で。
 
「アルテナ。アルテナ!」
 
 ヴァイスは叫びながら扉を蹴り開けた。

 十字の形に作られた建物の――
 その中央に――
 禊ぎの水が湛えられていて――

「アルテナ!」

 まさにその禊ぎの水の中に。
 探していた女性(ひと)が、いた。

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