託宣が下りました。
ヨーハン様は、これ以上なく悲しげな目で、わたくしを見ました。
「そしてこれから、図々しくもあなたにお願いしたいことがある。話を聞いて……いただけますか」
一瞬の嫌悪感を抱いたことは、否定できません。理由は分かりませんが、本能的に――とでも言うのでしょうか。
ですが、今のヨーハン様は、かつて魔物講座を開いてくれた彼と同じだと、わたくしには分かりました。ヴァイス様を助けるために必要な知識を持つ、たったひとりの人。
わたくしはうなずきました。
「はい。何でもお聞きします」
ヨーハン様は泣きそうな顔で言いました。ありがとうございますと――。
「それではお話しします。これがうまくいけばヴァイス様だけではなく、今町に蔓延しているすべての憑依型魔物に苦しんでいる人々を、救うことができるかもしれません」
アルテナ様にある場所へとおもむいていただきたい――
ヨーハン様はそう言いました。
「どこへだ? ヨーハン」
アレス様がわたくしに肩を貸したまま、苦い顔をして言います。きっと彼は、わたくしにこれ以上のことをさせたくないのでしょう。
ヨーハン様は迷わず答えました。
「西のヴェルジュ山へ」
「……聖水の源の山じゃないか。そんなところへ何をしに……」