かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる
お願いだから、もうしばらく誰も来ませんように──。
神様なんて信じてないのに、こんなときだけ神頼み。瑞希さんの腕の中でそう願っていると、耳にフッと息がかかる。
「こう見えて俺は、結構甘えたいたちだからな。そのあたり、覚悟しておいてくれ」
瑞希さんが甘えたいたち? 覚悟しておいてくれって、それはなんの覚悟ですか?
意味がよくわからなくて、首を左右に傾けた。でも甘えられるのは、本来嫌いではない。学生の頃、体験実習で行った保育園や老人ホームではみんなに甘えられて、困った反面嬉しかったことを思い出す。でも如何せん子供やお年寄り限定で、男性に甘えられるのには慣れていない。
でも瑞希さんのためなら……。
「甘えたいたち、望むところです」
自分でもなにを言っているのかわからなくなって、瑞希さんを見上げる。お互いに目が合うと、どちらからともなく笑いだした。
幸いなことに私の願いは神様に届いたようで、誰にも邪魔されることなく朝の幸せな時間を過ごせた。