公然の秘密
「だから結婚することが決まってあいさつをしたいって言う連絡があった時、あなたを急かしてしまったとそう思ったの。
そのうえ、田川さんとも別れたって言うことになったから余計に焦らせてしまったんじゃないかと…」
「お母さん」
母をさえぎると、
「あの人、最初から私と結婚する気がなかったみたいなの」
と、柚愛は言った。
「結婚する気がない人と一緒にいても意味がないと思って別れただけだし、それで麗一さんに出会えたから私はそれでいいって思ってる。
麗一さんは本当にいい人だし、結婚のことも考えてくれたし、何より私のことも大切にしてくれてる…だから、大丈夫だよ」
「柚愛…」
母は潤んだ目で名前を呼ぶと、
「尾関さんと幸せにね」
と、言った。
そのうえ、田川さんとも別れたって言うことになったから余計に焦らせてしまったんじゃないかと…」
「お母さん」
母をさえぎると、
「あの人、最初から私と結婚する気がなかったみたいなの」
と、柚愛は言った。
「結婚する気がない人と一緒にいても意味がないと思って別れただけだし、それで麗一さんに出会えたから私はそれでいいって思ってる。
麗一さんは本当にいい人だし、結婚のことも考えてくれたし、何より私のことも大切にしてくれてる…だから、大丈夫だよ」
「柚愛…」
母は潤んだ目で名前を呼ぶと、
「尾関さんと幸せにね」
と、言った。