The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
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次に目を覚ました時、私は自分の部屋のベッドで眠っていた。
先程まで私を襲っていた耐え難い鈍い痛みや熱はない。咳も出る気配はなく、少々体が怠いくらいだった。
呼吸も落ち着いている。
あれからどうなったんだ?
ミアに何とか電話したのは覚えている。
だがそこからは意識を失ってしまい、何も思い出せない。
誰かが私を助けてくれたのか?
「…咲良」
私が目覚めたことに気がついたらしい誰かが私の名前を酷く暗い声で呼んだ。
誰?
そう思って私を呼んだ誰かの方へ視線を向ける。
するとそこには酷く疲れた顔をしたミアがいた。
あまりにも聞き慣れない暗い声だったので、ミアだと気がつかなかった。
そして私はミアがそこにいることによってミアが私を助けてくれたのだと察した。
「…み、あ」
ミアにお礼を言おうとした私だったが思うように声出ず、自分でも驚く。
声がうまく出せない。
「怖かったよね。ごめん、ごめんね」
そんな私を見てミアは悲痛そうな表情を浮かべながら私を見つめた。