チューリップ~君に贈る花~

「俺は…

 どこに行くって?」


言い直した質問に、男は俺の聞きたい事の意図を理解したと言うように「ああ」とうなずいた。



「そうですね、たしか…


 あちらの世界では、向こうを『現世』や『現実』といい、

 こちらの世界のことを『天国』や『死後の世界』と言うのでしたね。」


「失礼しました。こちらの世界とは若干、表現が違うものですから。」そうお詫びの言葉をはさみながら、男は再び口を開く。



「あなたには『現世』に行ってもらいたいと言っているのです。」


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