チューリップ~君に贈る花~
そして、男はまたいつ用意したのかわからないホワイトボードの前にペンを持ち、何かを書き始めた。
そこからの日々は、『ルール』について冊子とホワイトボードを使って、延々と聞かされる毎日だった。
この世界ではみんな睡眠をとらないし、疲れることがないから休憩もしない。
俺はぶっ続けで、ひたすらにその『ルール』とやらを徹底的に叩き込まれた。
いくら疲れない体になったとはいえ、精神的にはかなりこたえた。
が、それだけ真剣に説明する男の様子から、その『ルール』を破ってしまうと何かとんでもないことが起きるらしいことは、なんとなく感じとれた。