チューリップ~君に贈る花~
「ですが、もちろん、『生前の通りに』とはいきません。」
夢のような話に心が躍る俺に、男がピシャリと言った。
「え…」
その凛とした声に、頭の中の想像が一気にはじけ飛んだ。
「条件があります。」
男はそう言いながら、またいつの間に用意したのか、俺の前にある机の上に乗った冊子をそっと指さした。
冊子の表紙には何も書かれていない。
ただの真っ白な紙の表紙だ。
「『現世』に戻る者には、絶対に守っていただかなければならない『ルール』がございます。
あなたにもそれらの『ルール』をしっかりと覚えて頂いた後に、『現世』に行ってもらう予定となっております。」