旦那様は征服者~琉聖編~
「え?」
ギシッと、ベッドのスプリングが軋みだす。
「園田」
「んんっ…」
「円佳って女も…」
「んぁぁ……」
「その後も…どんどん……消えてったもんね~!!」
「え……?」

スプリングの軋みが一旦やんで、繋がったまま琉聖が小梢の両手を引っ張って身体を起こした。
そして小梢を少し見上げ、その綺麗な目を覗き込んだ。
「小梢の周りの人間、全て………」
「琉聖…?」
「誰が消したか、教えてあげようか?」
「え?」
「フフ……可愛い~
今想像している人間、誰?」
「え……」
「いいよ。言ってみて?誰?」
小梢の口唇に触れ、なぞる琉聖。

「りゅ、琉聖…」
「フフ…」
「え?まさか…」
「そうだよ!俺が、しーちゃんに頼んで消してもらったの。小梢に関わる人間、全員」
「どう、し…て…?」
「だって、許せないんだもん!
小梢は俺のなのに!」
「………」
小梢は目の前の美しい人を、ただ見つめていた。

「なんでこの目が、俺以外を映すの?」
小梢の目元をなぞる。
「なんでこの耳が、俺以外の声を聞くの?」
「ひやぁ!?」
耳に噛みついた。
「なんでこの口が、俺以外の名前を呼ぶの?」
「………うぐっ…!!」
口の中に指を突っ込んだ。

「そんなの…赦されない………全部…消してあげる…!」

またスプリングが軋みだした。
「あぁ……やぁあ…ん……」
「小梢に関わるモノ、全員………」
「んぁぁ……やぁ…」
「そうすれば、本当に……小梢には、俺だけしかいなくなる……」
「あぁ……いやぁ……んぁぁ…」

「二人“だけ”で生きていこうね……!」
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