年上同期から恋人へのロード
「何?俺とご飯行けなくなると寂しい?」
「そ、そんなことないわよ。私の考えを勝手に想像しないでよ」
「そんな顔してたけど」
「おごってくれる人がいなくなるから、どうしようかと思っただけだよ」
「まぁ俺に彼女ができるまでは、付き合えよ」
会社の女性軍がこの話を聞いた日には、私はどうなるのやら・・・
想像するだけでゾッとした。
「牧瀬、お腹いっぱいになった?」
「うん、もうデザートまで頂いて、満足です。ご馳走になっていいの?」
「もちろん、ご褒美だからね」
そう言って、秋月くんはご馳走してくれた。

「ありがとう、ごちそうさま」
「いいよ、また行こうぜ」
そう言ってゆっくりと歩き出した。
空は雲一つなく、夜風が気持ちいい。
「夜ゆっくり歩くことないから気持ちいいね。あっ、じゃあここで。今日はありがとう」
そう言って秋月くんに背を向けた時に、ふと腕を掴まれた。
「えっ?」
どうしたのかと振り向くと真剣な眼差しで、お酒のせいか少し潤んだ目の瞳は私の目を捉えていた。
綺麗なその瞳に吸い込まれそうだった。
胸がきゅっとなるこの感覚・・・私・・・
私は自分の気持ちを隠して秋月くんに声をかけた。
「・・・秋月くん、どうしたの?」
はっと我に返ったように、秋月くんは笑みを浮かべて、
「あっ、ごめん、何でもないよ。気をつけて帰れよ」
そう言って手を離してくれた。
< 23 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop