年上同期から恋人へのロード
「牧瀬が喜んでくれてよかったよ」
しばらく黙って夜景を眺めていると秋月くんがぽつりと言った。
「牧瀬はさ、まだ栗田のこと好きなの」
一瞬どきっとした。もう、心臓もたないよ・・・
「突然、何言うのよ!そんなわけないでしょ!何言い出すかと思えば・・・」
「動揺してるってことはまだ好きなの?」
「誰のために別れた人とデートしたと思ってるのよ!すごく辛い思いしたんだから」
「そう?この間のダブルデートでまた気持ちが高まったとか?」
「もー、嫌み言わないで」
秋月くんの胸を叩こうとした手を掴まれ、秋月くんは真剣な顔つきになって、私を見つめた。
「どきどきしてたように見えたけど」
「違うわよ、私、男性と付き合ったのって先輩しかいないから、どうしていいか戸惑っただけ」
「そう・・・栗田だけね・・・」
悲しそうで聞こえないくらいの小さな声でそうつぶやいて
「牧瀬って会社では冷静に対応してるけど、こういう話になるとムキになるね」
「秋月くんの前だけだよ、こんな口聞いたり態度とるの」
「それって、俺だけが特別ってこと?」
掴まれた手が強くなり、熱が伝わってきた。
私の気持ちがばれちゃう・・・
「ち、違うわよ!同期だから気兼ねしないだけだよ。手離してよ、もーっ」
そう言って、秋月くんから腕を振り払った。
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