年上同期から恋人へのロード
「あいつのあんな取り乱した声聞いたの初めてだよ」
「えっ?」
「俺の家、ここから近いんだ。あいつ、俺が家に居ること確認したらた理由も言わずに、『沙羅が危ない、自分は30分かかるから、ダッシュで行け!地図送る」だけ言って、電話切ったんだ。取りあえず、ダッシュしたよ。高校の部活以来だわ、こんなに必死に走ったの』
そう言って先輩は出されたお水を飲み干して、コーヒーを注文した。

「すみません、先輩にまで迷惑かけちゃいました」
「迷惑じゃないよ。そういう直ぐに人に気を遣うところも変わってないね。あっ、今頃秋月、必死でこっち向かってるから無事の連絡だけいれるね」
そういって、先輩はメールを打ち始めた。
しばらくして
「これでよしっと。今頃もっと血相変えて走ってるだろうな」
先輩はいたずらっ子のように笑いながら、スマホを机の上に置いた。
「牧瀬、ふたりっきりで会うこともないだろうから、秋月が来るまで俺の話、聞いて」
そう言って、栗田先輩は真剣な顔をしてゆっくりと話し始めた。
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