一番好きなのは、キミだから
「話戻るけど、七星ちゃん。このパスケースのキャラクター、もしかして好きなの?」
「うん。小学生の頃からずっと好き。
グッズも新しいのが出る度に買ってるから、部屋がクマだらけで」
「へぇー、そうなんだ。小学生の頃からずっと、七星ちゃんに好きでいてもらえてるなんて。このクマが羨ましいな」
あたしのパスケースのクマを手にする真宙くんが、目を細める。
「えぇ!?」
クマが……羨ましい?!
「あ、いや、えっと。このクマ、七星ちゃんみたいに可愛いね」
「かわ……!?」
今度は、可愛いって!
「なんかこう……肌が白いところとか?
クリっとした目とか、ふわっとした優しい雰囲気とか。愛くるしいっていうか……って、やべぇ。こういうこと言ってたら、なんか急に暑くなってきた」
頬がうっすら赤くなった真宙くんが、片手で自分の顔を扇ぐ。
もしかして、照れてるのかな?
「でも、良い話を聞いたな。ちょっと、七星ちゃんにお願いがあるんだけど……」