【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜


 凜人さんは不思議そうにわたしの顔を見ていた。

「会社が倒産してしまって、その上恋人も失って……。そして家も、火災になって燃えてしまいました」

「え、家がなくなったって、そういうことなのか?」

 え?どういうことだと思ったのだろうか……?

「はい。しかもそれも、火災保険を使うにも時間がかかるみたいで……」

「そうか。そうだったのか」
 
 恋人に別れを告げられただけでなく、家も燃えたなんて、本当に笑えた話だ。泣けるくらい笑ってしまうよ。

「あいよ。お待ちどうさま」

 そんなことを考えていたら、目の前には美味しそうなお寿司が並べられていた。

「……美味しそう」

 どれだけイヤなことがあっても、やっぱりお腹は空くものなんだなって気が付いた。

「好きなだけ食え。遠慮はしなくていい」

「え?でも……」
 
 そんなこと言われても、遠慮するなって方がおかしいって……。普通はこういう時、遠慮するものだよね?

「いいから。イヤなことがあった時は、食って忘れろ」

 そう言われてわたしは「……はい。いただきます」とお寿司を口に入れた。
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