【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
「……美味しい」
口に入れた瞬間にマグロの甘みがふわっとやってきて、とても美味しいお寿司だった。
「な、美味いだろ?」
と聞かれて思わず「はい。……美味しいです」と答えた。
「さ、食べろ」
「はい」
マグロだけじゃなくて、新鮮なホタテやほっき貝、タコにエビ、どれを食べても美味しくて止まらなくなった。
「……なんで美味しいんだろう」
「ん?」
「なんで美味しいですかね?……こんな時に食べる物って」
お箸をテーブルに置くと、わたしはそう問いかけた。すると凜人さんは、こう答えた。
「こんな時だから食べるんだろ?」
「……え?」
「どんなにも辛いことがあった時でも、美味いもの食べれば、どんなにイヤなことや辛いことも一瞬で忘れられるからな。だから人は、美味いものを食べれば幸せな気持ちになるし、明るくなれる」
その言葉は深くわたしの胸に刺さった。そしてわたしはまた、お箸を取りお寿司を食べ進めた。
「……何度食べても、美味しい」
「ここの寿司は最高だ。ネタも全部新鮮で、旨味がすごい」
「……はい」