【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
そう伝えた凜人さんは、ナースステーションから出てきた。
「待たせたな」
「……いえ」
「さっきの話、聞こえてただろ?」
そう問いかけられて、わたしは「はい……」と返事をした。
「さっきの患者、昨日急患で運ばれてきたんだ。頭から血を流してな」
歩きながらそう話してくれた凜人さん。
「救急車を呼んだのはその夫だ。 ここに運ばれてきた時にはすでに、危険な状態だった」
「……そうなん、ですか」
わたしは何と言えなかった。
「階段で転んで頭を打ち、意識が無くなったと夫は言っていたが……。自分では転んだにしては、外傷が激しすぎたのが気になった。夫は妻が突然階段から転げ落ちて頭を打ったと言っていたが……。本当は妻は、その夫に突き落とされたかもしれないな」
「それが……暴力?」
信じられない……。
「まだ分からない。確証はないしな。……だが夫の態度からして、夫はもしかしたら、妻を殺そうとしていた可能性もある」
「……もし本当にそうだとしたら、残酷すぎます。愛した人を殺そうとするなんて……許せない」