【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
わたしは心がすごく傷んだ。悲しくなってくる。
「その妻はまだ意識は戻っていない。……頭を打ち付けた衝撃で脳の中では大量の出血が起こっていた。それが血腫になって固まっていたから、目を覚ましたとしても……下半身には麻痺が残る」
「……そんな」
残酷すぎる結果だった。命が助かったのに歩けなくなってしまうということも、想像したことすらなかった。
「歩けなくなってしまうって……ことですか?」
「ああ。リハビリしたとしても、車椅子は必要になるだろうな」
もしそんな風になってしまったら、きっと本人は悲しくなるに決まっている。
「命が救えただけまだマシだ。 俺たちの仕事は、命を救うことだ。それがどんな結果になったとしても、命が助かればこうして生きていける。……例えどんなに大変でも」
「……凜人さん」
「美乃梨、この病院には俺たち医者を必要としてくれる人がたくさんいる。……美乃梨がもし人生に絶望して、あの時飛び降りたとしても。俺は絶対にお前を助けた。 それが俺の仕事だからだ」
「……はい」
あの時わたし、本当に死ななくて良かった……。