やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
片や私は幼馴染ちゃんの存在に慣れ過ぎていて、彼女とは別枠の大事な人だと言われれば、否やは無い。
いや、智樹が愛莉さんに会いに行ったと決まった訳では無いけれど……
親兄弟とか同性の幼馴染だったらここまでモヤらないだろう、と自分で自分に言い聞かせている。
それに、たった一人を大切にする、そんな智樹を好きになったのだから、仕方がない。とも思う。
とは言え亜沙美さんに何て返そう……
『どうせ母ちゃんの用事だろ。上京してると親に頭上がらないからなー』
私が答える前に河村君が適当に返す。
『……まあねー、離れて分かる親の有り難みには逆らえないわ』
納得した風の亜沙美さんをまじまじと見つめ、ほっと一息つく。河村君の回答に感謝をして、そっと笑顔を送れば、何だか照れ臭そうに笑ってくるものだから、ついどきまぎと胸が騒いで……
『ね?』
『う、うん』
つい勢い良く首肯したりして。
『ねー、それよりさあ、日向との馴れ初め教えてー。なんか堅物のイメージがあるんだけど、どうやって知り合ったのー?』
『あ、俺も聞きたい』
その後はお酒の力も手伝って、暫く私なんかの話で盛り上がってしまった。きっと後々誰も覚えて無いだろうけど。とは思いつつも、何だか恥ずかしくて自分も大分飲んで……で、