【完】夢見るマリアージュ
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北斗さんを避けるようになったのは、次の日からだった。
楽しみだった金曜日に誘いを断る様になって、彼からは距離を置き始めた。
告白の真意を聞けぬまま、逃げ続ける。失礼な事をしているのは重々承知で、逃げていた。 ちょうど北斗さんも仕事が忙しそうで好都合だった。
そうするとあっという間に一ヵ月は過ぎ去り、季節は12月。 本格的な冬に移り変わって行った。
夢の様だった時間を忘れる。 そう決めたのに、ダイエットは止めなかったしジム通いも続けた。
お洒落にも興味を持つようになって、休日には外にも出かけるようになった。
もう頑張ったって意味はないのに。 北斗さんの隣に並ぶことは諦めたのに
どうして私は――綺麗になる努力を止めなかったのだろう。
12月に入り、会社の飲み会が開かれた。 木島さんが誘ってくれたものだった。
営業部だけの小さな飲み会なのかな、と思いきやかなりの人数が集まる大がかりな飲み会なのには驚いた。
岸田さんは勿論、事務の青柳さんも居て………こういう飲み会は苦手なはずの北斗さんも居た。
告白を断られブちぎれていた青柳さんは、何故か北斗さんの隣でにこにこと笑っている。