【完】夢見るマリアージュ
結構自由な人だ。 こっちの方が冷や汗をかいてしまう。
それに北斗さんと一緒に居ると、やっぱり周囲の目が気になる。 これはどうしようもないのだ。
買い物に来ている女性客は、背が高くすらりとしている北斗さんを見ると自然に振り返ってしまうから。
「ねーあの人かっこいくない?」
「めっちゃイケメンだね、背も高いし」
「隣にいる人彼女かな?」
「まさか、全然つりあい取れてないよ。妹かなんかでしょ?」
分かってはいるもののストレートな言葉にはいちいち傷ついてしまう。 言いたい事は分からなくもない。
今日の私、スッピンで眼鏡。 いつもにまして地味でさえない。
すらりと背が高くイケメンの北斗さんと並ぶと、どうしたって恋人同士には見えやしない。
鏡に向かって大きなため息を漏らすと、北斗さんはぎゅっと手を握り締めてこちらに微笑みかけた。 その笑顔を見てとろけてしまいそうになる。
北斗さんの指をさした方角には大きなクリスマスツリーが飾りつけしてあった。