【完】夢見るマリアージュ
もうすぐクリスマス…か。
オーナメントのぶら下がるもみの木を見て、いつの間にか街がクリスマスムード一色になっているのに気づいた。

「理由があればプレゼントしてもいいんだよね?
もうすぐクリスマスだから、欲しい物考えておいてよ」

「欲しい物……って、それってクリスマスを一緒に過ごしてくれるという事でしょうか?」

「当たり前じゃん。俺達付き合ってるんだから。
あ~クリスマス楽しみだなあ~。冬ってイベントが沢山あるからワクワクしちゃうよ」

子供の様な無垢な笑顔を浮かべる北斗さんを前に、ドキドキが止まらない。
クリスマス。 平凡に過ごしていたその日が、何故か物凄く特別な物になったような気になる。

今まで誰かと一緒に過ごすクリスマスに良い思い出は一つもない。 初めて恋人と過ごすクリスマス…それを考えただけでこんなにも嬉しい気持ちになる。

ぎゅっと北斗さんの手を握り返し、彼を見上げる。

「北斗さんも考えておいて下さい。 欲しい物」

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