【完】夢見るマリアージュ

香ちゃんと付き合った事は海には報告した。 すっごく驚いて「良かったー!」と自分の事のように海は喜んでくれた。

その海も、レナとの付き合いをやっと桜栄社長に認めて貰う事が出来たらしい。 俺的にスピード結婚になるような予感がする。

何はともあれ最近は嬉しいニュースばかりが飛び込んできて、気持ちも自然と晴れやかになっていく。

「お疲れ様です、北斗さん」

エレベーターを降りると偶然声を掛けられたのは、事務の青柳さんだった。 ウェーブのかかった茶色の長い髪を上品になびかせ、にこりと可愛らしい笑みを作る。

「ああ、青柳さんお疲れ様です」

若干気まずい雰囲気なのは、過去に彼女には告白をされた事があったからだ。
少しだけ彼女が苦手だった。

雰囲気は柔らかいのにどこか気が強いオーラが滲み出ていて、話をすると圧倒されてしまう。昔からそういった女性は苦手だ。

無神経な告白の返事をしたせいかあの日キレられて、けれど飲み会で会った時も普通に接してきたのでこちらもいつも通りの態度で接した。

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