【完】夢見るマリアージュ
恥ずかしい…。
ウェディングドレスを見るのが趣味だなんて
こいついつか俺と結婚でも出来るなんて夢みてんじゃねぇの?とか北斗さんに思われたらどうしよう。
けれど北斗さんの優しい瞳はジッとこちらを見つめていた。
「俺は見て見たい。絶対に似合うと思う。 いつか香ちゃんにウェディングドレスを着せてあげるのが自分だったらいいなあって思っちゃう。
えへへ。何か照れちゃうね」
「そんな……」
北斗さんの言葉は私に諦めていた夢ばかりを見せてくれる。
あなたがそんな顔をしてそんな嬉しい事を言ってくれると、小さい時からの夢でずっと諦めかけていた夢を
また夢見たくなってしまう。
テーブルに投げ出された私の手の上に自分の手を重ねると、北斗さんはもっと優しい顔をした。
どうして彼はそんなに真っ直ぐに優しい顔を私にしてくれるのだろう。 私には勿体ない程の人だと分かっているから、いつも戸惑う。
彼と見つめ合っていると、テーブルの上に置かれた携帯が鳴る。