【完】夢見るマリアージュ
まるで何事もなかったかのようにいつも通りで安心した。 香ちゃんを悪く言われるのは嫌だけど、女性に冷たくするのも苦手だ。
そのまま黒岩主任の所に行くのかと思えば、青柳さんはぴたりと足を止め俺へと満面の笑みを浮かべる。
首を傾げ下手くそな笑顔を作ると、彼女は俺の目の前へやって来た。 そして少し背伸びして、耳元に口を寄せる。
「そういえば、城田さんから聞きましたよ」
「え?」
「この間は変な事をいってしまい、すいません。気が動転していて。
最近城田さんとは仲良くなって今度一緒に食事に行く約束をしていたのですが
北斗さんとの事は城田さんに訊きました。
おめでとうございます。」
香ちゃんと青柳さんにどういった繋がりがあるのか俺にはさっぱり分からなかった。
俺は別に隠すつもりもなかったし、彼女が周りに伝えてくれるのは嬉しかったが…
何故よりにもよって青柳さんなのだろう。