【完】夢見るマリアージュ

「ああ。俺もこの資料終わらせてから今日は帰る事にするよ。 おつかれさま」

海がオフィスから出て行って、パソコン画面に向かい合い集中する。

恋が順調だと仕事が捗るのは間違いない。 香ちゃんと付き合い始めてから、良い感じで積極的になれて仕事にも精が出るようになった。

大型イベントの影響か、社内からは人が大半出払っていて、数人しかディスクには残っていなかった。

ちらりと時計を見ると、18時。 うん、今日は早めに上がれそうだ。 そう思って珈琲を淹れに給湯室に行く途中だった。

「あ、北斗さんちょうど良い所に!」

「青柳さん…お疲れ様です…」

この間は香ちゃんのとの関係を問い詰められて少しだけ嫌な返しをしてしまった。 …気まずい。
しかし当の本人はあの日の事などなかったかのように、ニコニコと笑いながらこちらへ駆け寄って来た。

「黒岩主任はいますか? 今度のイベントの予算の事でご相談があったのですが」

「黒岩主任ならまだ残っているよ。」

「そうですか、ありがとうございます。」

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