【完】夢見るマリアージュ

「……他の失敗を周りにフォローしてもらっているから…。 だから…
それに金曜日の残業って嫌いじゃないんです。
どんなに遅くなっても土曜日と日曜日が休みだとモチベーションが違うっていうか。
あ、予定なんかいつも何もないんですけどね?」

北斗さんに向かいそう言うと彼はニッと爽やかな笑みを浮かべ「分かる」と言った。

そしてそのままパソコンのディスクに向き合ってしまった。  この間もなんだかんだ言って手伝ってくれた。そんな暇な人じゃないはずなのに、申し訳ない気持ちになる。

「俺も、予定なんかないけど金曜日の夜はワクワクする。 昔から」

「ですよね。 私なんて学生時代からずっとですよ。 学校があんまり好きじゃなかったから」

学生生活に良い思い出はない。
スクールカースト最下層。  いじめられた事もあったし、影で笑われていた事も知っている。

女子には下に見られていたし、男子には気持ち悪がられていた事だろう。

でも、北斗さんは違うだろう。 私とは全く違う学生生活を送ってきた人だろう。 だから勘違いしちゃいけない。

趣味や好きな事が少し位似ていようと、北斗さんと私では全然違う人種なのである。

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