【完】夢見るマリアージュ

「本当にいいのに……」

「いえ、こういう所はきちんとしなくちゃあ。
レストランのお金を出して貰ったのだから、ここは私に出させて貰わないと。
それに素敵なお店に連れてきてもらえて嬉しかったし」

「でもここは男として、さ。
城田さんは真面目なんだから…」

「いいんです。 それにしてもお酒とパフェが合うって事を知れて嬉しいです。
今度家で晩酌する時も手作りのお菓子を食べて見ますッ」

会計の際、ちょっとした押し問答があった。 北斗さんが会計をしようとしたので、さすがにそれは阻止をした。

高級そうなレストランは全て彼もちだったのだ。さすがにそこまで甘えられない。 いや、ここは女らしく甘えた方が彼の顔を立てれたのかもしれないけれど、そういった気遣いは私には難しすぎる。

「すっかりと遅くなっちゃったね。 城田さんと話していると時間が経つのが早くって」

「私も楽しかったです。 でも……あんまり遅くなっちゃったらリリーちゃんが寂しがっちゃいますね。」

電車で帰ると言ったのに、北斗さんはタクシーでマンションまで送ってくれた。
こうまで女性扱いをされると、私でなくても勘違いしたくなるものだ。
北斗さんはしきりに私と一緒に過ごす時間が楽しいと言ってくれた。 お世辞でも嬉しいものだ。

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